だから、好きだって言ってんだよ


「なんだよ?」



さっきのミーコへの態度とは違って、陽平はあたしに冷たい声を吐き出す。


明らかにまだ不機嫌な様子。



……なんなの?


あたしが何をしたっていうの?



「別に。帰ろう、ミーコ!」



なんだか無性にムカついて、カバンを肩にかけるとミーコの手を引っ張って教室を出た。


そして、昇降口まで来ると上履きからローファーに履き替える。


陽平のことを考えるとイライラが増して、ミーコがいるにも関わらず早歩きになってしまった。



「どうしたの?なんかあった?」



校門を出たところで、ミーコが不思議そうに声をかけて来た。



「陽平がムカつく。なんであたしにだけイジワルなの?」



全然優しくないし、あんな奴がモテてるとかありえないんだけど。



「あ~、それは仕方ないよ。好きな子にだけ、イジワルしたくなるもんじゃん?」



…………!?


< 34 / 303 >

この作品をシェア

pagetop