だから、好きだって言ってんだよ
「別にどうも思ってないよ」
イジワルだし。
どうか思ってる方がおかしいから。
陽平があたしを好きだなんてことも、絶対にありえない。
それだけは断言する。
「そっかぁ」
ミーコがニコッと微笑んだ。
そして言葉を続ける。
「まぁまぁ、そんなに目の敵にせずにさ~!仲良くしてやんなよ。陽平も、ホントは愛梨と仲良くしたいと思ってるはずだから」
「えー?ないでしょ。それにもし本当に陽平があたしを好きなんだとしたら、この世の終わりだね」
ミーコが悪いわけじゃないけど、陽平の肩を持つのが気に入らなくてプイとそっぽを向いた。
結局、ミーコも陽平の味方なわけだもんね。
信号が青に変わったことを知らせる音が辺りに響く。
歩き出そうとしたその時だったーー。
「悪かったな、この世の終わりで」
低く冷たい陽平の声が聞こえたのは。
えっ……!?
そう思いながら恐る恐る後ろを振り返ると、すぐ後ろに友達数人と歩く陽平の姿があった。
しかも、いつも以上に冷たい目であたしを見ている。