だから、好きだって言ってんだよ


陽平の言葉を、頭でうまく処理出来ない。



『好きで悪かったな』



その言葉が頭の中をぐるぐる回っている。



今までずっと友達だったから、いきなりそんなことを言われて衝撃を受けた。


冗談……なんだよね?



「陽平、やってくれるじゃん!こんなとこで告るなんて」



「ヒューヒュー」



近くにいた同じクラスの男子が冷やかす声にも、今は言い返す気が起きない。


陽平も周りの声なんて聞こえていないみたいに、まっすぐにあたしを見下ろしている。


正直、目をそらしてしまいたかった。



ど、どうしたらいいんだろう……。


これって、一応告られたんだよね?


返事をするべき……?


でも、どう言えば……。



ただでさえこの状況にビックリして、いっぱいいっぱいだというのに。



どうすればいいのかわからなくて、軽くうつむく。


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