だから、好きだって言ってんだよ

「じゃあな」



気まずくなって顔を伏せた後、拳を固く握り締めたまま動かないあたしに陽平が言った。



ミーコもどうしたらいいかわからなかったみたいで、あたしと同じように黙り込んでいる。



そんなあたし達のそばを通り過ぎて、陽平はこの場から去った。



「な、なにあれ……」



なんだったの……？



「だから言ったじゃん」



「…………」



いや、そう言われても。


冗談だとしか思えなかったんだって。


それにしても。



「今のって、告白だよね……？」



「どう見てもそうでしょ」



……だよね。


冗談なんかじゃ、ないんだよね。


いつもの冗談なら良かったのに。