だから、好きだって言ってんだよ
取り残されたあたしとミーコと陽平の友達数人の間には、なんとも言えない気まずい空気が流れていた。
「あ~、ほら!俺らは余計なこと言わねーし、さっきのことは内緒にしとくから……っ!じゃ、じゃあな」
ひとりの言葉に『うんうん』とみんなが頷きながら、あたしとミーコを取り残してそそくさと逃げて行った。
呆気に取られながら見ていることしかできなくて、しばしの間沈黙が流れる。
「と、とりあえず帰ろっか」
「うん……」
ミーコの声に、止めていた足をまた動かし始める。
陽平が……あたしを好き。
陽平が……あたしを。
陽平が……。
知らなかった。