だから、好きだって言ってんだよ


ーーチュンチュン



鳥のさえずりが聞こえてハッとした。


寝落ちしかけていた頭が次第に覚醒し始める。



結局、昨日あれからスマホを手にしたままどうすることも出来なくて。



モヤモヤした気持ちを抱えたまま中々寝付けなかった。


そして、気付くと朝だったっていう何とも情けないオチ。



なんだか頭が重いし、目がしょぼしょぼする。



「サイアク……」



確実に寝不足だよ。



重い体を起こして部屋のカーテンを開ける。



窓から柔らかい朝の日差しが射し込んで来た。



だけど、なんとなく気が重い。


心の中はずっと、陽平のことばかり。



会うのが気まずいだなんて、今までで初めてだ。


< 43 / 303 >

この作品をシェア

pagetop