だから、好きだって言ってんだよ
それに。
あたしの名前、知っててくれたんだ……?
今まで関わりが少なかったから、芹沢君があたしのことを知ってるとは思わなかった。
芹沢君はニッコリ笑って、朝から清々しいほどに爽やか。
「そうなんだ。いつも俺が1番だから、なんだか新鮮な感じだよ」
王子様スマイルを崩さない芹沢君。
上品で優しい雰囲気が漂っていて、同い年なのになんだか大人っぽく見える。
いつも1番なんだ。
さすが芹沢君。
「ところでさ、吉崎さんは三浦と付き合ってんの?」
「えっ!?」
思わずギクッとした。
なんで芹沢君の口から陽平の名前が出てくんの?
昨日の今日だから、変にそわそわしちゃう。
「どうして、そんなことを聞くの?」
「いや、仲良いみたいだし」
芹沢君はあたしのそばに来ると、陽平の席のイスを引いて座った。
「別に仲良くなんか……いつもからかわれて、イジワルばっかりされてるし」
だんだんと声が小さくなっていく。
昨日のことをまた思い出してしまった。