だから、好きだって言ってんだよ


ドキドキソワソワしながらドアの方を見て、陽平がいつやってくるのかをチェックする。


人が入ってくるたびに陽平じゃないかと思って、心臓がありえないくらい飛び跳ねた。



「おはよう、愛梨!早いね」



「まりあ、おはよう」



陽平よりも先にやって来たまりあに笑顔を向ける。


早速映画のことを言おうと思って、まりあの方に向き直った。



「ねー、まりあ。前にあたし達が“観たい”って言ってた映画あるじゃん?芹沢君がチケットを持ってるらしくて。誘ってくれたんだけど、一緒に行かない?」



「えっ!?いいの?行く行く~!」



花が咲いたように、パアッと明るい笑みを浮かべるまりあ。


よしよし、これで第1段階はクリアした。


問題は次だよね。


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