だから、好きだって言ってんだよ


映画のことも結局言えずじまいのまま放課後を迎えた。


陽平なんかと一緒に行くって考えただけで、うんざりしたような気分になる。


今は顔も見たくない。



「愛梨、帰ろう!」



「うん」



隣でまりあがカバンを持って立ち上がる。



去り際に陽平と目が合ったけど、わざとらしく思いっきりそらして顔を背けた。



絶対に許してやらないんだから。



まりあと一緒に教室を出て、ミーコと待ち合わせている靴箱まで歩く。


最近は3人で一緒に帰ることが多くて、寄り道することも増えた。


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