だから、好きだって言ってんだよ


あーもう!


陽平のことを考えるのはやめよう。


せっかく遊びに来てるんだし、今はこの時間を大切にしたい。


リセットリセット。



駅前のカラオケにやって来たあたし達は、カバンを置いて一息ついた。



「まりあ先に歌っていいよ~」



「本当?わーい」



なんて言いながら、ドア付近にいるあたしがリモコンを取って渡す。



鼻歌交じりに曲選びを始めたまりあを見て、あたしとミーコは顔を見合わせて笑った。



「ミーちゃんは好きな人いないの?」



まりあがちらりとミーコを見る。


そういえば、ミーコの恋バナって聞いたことないなぁ。


小学生からの仲だけど、誰かを好きって言ってるのも聞いたことがない。


ま、あたしもだけど。



いるのかな?



「いるよ~!」



「えっ!?」



「だれだれ~?」



ビックリして目を見開くあたしとは逆に、まりあはさらに目を輝かせた。


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