だから、好きだって言ってんだよ
あたしの言葉に陽平の眉がピクッと動いた気がするけど、気にしないことにする。
「恋愛映画より、アクション映画の方が面白いだろ。つーか、座れば?」
「あ、うん……」
そう言われて、ガラステーブルの下のラグマットの上にちょこんと腰かけた。
ベッドを背もたれにして足を伸ばす。
陽平はベッドから下りて、ガラステーブルを挟んだあたしの向かい側に座った。
「どうしてもその映画がいいのかよ?」
嫌そうに顔をしかめる陽平の反応は思った通りだけど、観る映画は決まってるし変更はムリだ。
「うん、変更は出来ないから。嫌ならいいよ。他の男子と行くし」
陽平がムリなら、芹沢君の友達と行くことになる。
「はぁ!?」
陽平は今度はあからさまに不機嫌な声を出した。
何が気に入らないのか、鋭い目付きであたしのことを睨んでいる。