だから、好きだって言ってんだよ


日曜日。


モヤモヤしたまま今日を迎えてしまった。


『ダチだと思ったことは一度もない』


その言葉が胸に深く突き刺さって、傷口は大きくなるばかり。


じゃあ……あたしは陽平にとっていったい何だったの?


ただイジワルをするための相手?


そんな疑問がずっと頭の中を巡っていた。



「おはよう、吉崎さん」



早めに待ち合わせ場所に着くと、芹沢君はすでに来ていた。


今日は快晴で、絶好のおでかけ日和。



「おはよう!早いね」



ニッコリ微笑む芹沢君につられて、あたしの頬も自然と緩む。


待ち合わせスポットでもある時計台の下まで来たあたしは、太陽の光に思わず目を細めた。



「昨日は緊張して、あんまり寝れなくてさ」



「えー、そうなんだ?芹沢君でも、緊張とかするんだね」



「するする!もう、ドキドキしっぱなし」



「あは、可愛い~!」



爽やかな王子様キャラだと思っていたけど、意外と乙女チックな部分を持ち合わせている芹沢君。


話しやすいし、陽平と違って優しくしてくれるから芹沢君の前だと自然と笑顔になれる。


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