ねぇ、明日香
重い沈黙が流れる。
最初に口を開いたのはすずだった。
「ねぇ、雫。」
足元に落ちていく視線を、抗うように上へ戻す。
「全部話そう…?正直に、全部」
その瞬間カッと頭に血が上ったのが分かった。
「何言ってんの!?何今更!?今まで散々あいつのこと一緒にいじめてきたくせにさぁ!!」
「だからだよ!!」
穂波が割って入る。
「雫に無理矢理付き合わされてたけど、正直やりすぎってあたしらずっと思ってたんだよ…」
昔、胸の奥底に埋め込まれた鎖が、ずるずるとゆっくり堕ちていくのを感じる。
「は?無理矢理?あたしがいつ強制した?ずっと思ってたって、1回でもあたしのこと止めたわけ?明日香が死んだからって逃げんなよ!」
ハァ、ハァと切らした息を整え、静かに言い放つ。
「あたしらは共犯者だからね」
すずも穂波も、真っ青な顔をしていた。