ねぇ、明日香
遺書
「…は?すず、何の冗談?」
眉根をひくつかせながら問う。
彼女にも分かっていたのだろう。
やけに騒がしい校庭。
バタバタと廊下を走る生徒達。
『誰かが飛び降りたらしい』という声も、彼女の耳にしっかり届いていた。
「もし遺書にあたしらのこと書かれてたら…やばいよ…!」
頭を抱え、今にも泣き出しそうなすずの言葉を聞き、雫は突然立ち上がり、どこかに向かって走り出した。