ねぇ、明日香


身を隠すように女子トイレの個室に入る。

長い髪から滴が滑り落ちる。


躊躇いがちに、雫はポケットから遺書を取り出した。


雨に濡れた封筒は、狭いポケットの中でより一層くにゃくにゃになっていた。


しばらく眺めた後、ごくりと生唾を飲み込んで開封する。



…きっとあたし達のことを恨み辛み書いてあるに違いない。


さっきから心臓の音が耳障りだ。


恐る恐る文章に目を移す。



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