真っ直ぐな気持ち
2学期
 2学期が始まり、夏休みの浮かれモードから一転。
 3年生は、今後の進路を真剣に決めないといけない時期に入った。
 1学期、夏休みと3者面談はあったが、次の面談で将来が決まる。
 8割が大学や専門学校への進学希望だったが、残り2割は就職となる。
 その中に、篠原潤と、金子美夏もいた。
 智美と直子は、揃って付属大学の推薦を受ける事になっていた。
「就職組、少ないよな」
「そうね」
 美夏と潤は、進路指導室で求人ファイルを見ていた。部屋には、他に生徒の姿は無い。
「潤くん、前に言ってたよね。工場とか、単純作業出来る所がいいって」
「ああ。でも最近思うんだ。営業でもいいかなって」
「潤くん、スーツ似合いそう」
「そう?」
「うん。カッコいいから、人目に触れる仕事が合ってると思うよ」
「美夏の心に、俺が入る隙間、少しは出来た?」
「えっ?」
「まだ、駄目か~~~美夏の彼氏って、強敵だな」
「ごめん」

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