真っ直ぐな気持ち
 トントン
 しばらくして、鍵が開く音がして、ドアが開いた。
「潤くん・・・」
 中から顔を出した彼女は、肩が上下するのがはっきりわかるほど荒い呼吸をしていた。
「きつそうだけど、大丈夫か?」
「ちょっと・・・駄目かも」
「あっ!」
 倒れそうになった彼女の身体を慌てて支える。
「ひどい熱じゃないか!」
 彼女の身体は、ちょっと触れただけでもわかるくらい熱かった。
 彼は、彼女を抱えるとベッドに運んだ。
「水、飲んだか?」
 彼女はうつろな目で首を横に振る。
「待ってろ」
 部屋を見回した彼は、冷蔵庫を見つけると扉を開けた。
 そして、水のペットボトルを見つけ、食器棚からグラスを取り出した。
「ほら、これ飲んで」
 彼女の背中に腕を回し、身を起こすと口元にグラスを近づける。
 彼女はゆっくりとそれを口に含んだ。
「ありがとう・・・」
「もういい?」
「うん」
 グラスを置いた彼は、自分の額を彼女の額に当てた。
「相当熱いな・・・」
 
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