真っ直ぐな気持ち
「俺と美夏は・・・結婚してるんだ」
「はぁ?」
 彼は、事態を飲み込めずにいた。
「俺達、夫婦なんだ」
「夫婦って、まさかそんな・・・」
「彼女が卒業するまで、誰にも話さずにおこうと思っていた。バレたら俺達、学校に居られなくなるだろうし。だから、兄妹として紹介したんだ」
「2人が結婚?・・・」
「だけど、お前にはこれ以上黙っておくわけにもいかないよな」
「って、事は、俺がどんなに彼女を好きになろうと、望みはないって事?」
「まあ、そうなるな」
「何だよまったく・・・俺の気持ちは、どうなるんだよ」
「すまない」
「すまないじゃすまないよ。俺、バカみたいじゃねーか。ってか、もともとバカだけど」
 彼は、腕を腰に当てると、廊下を行ったりきたりした。
 そして、髪がくしゃくしゃになるくらい頭をかいたかと思うと、動きを止めた。
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