真っ直ぐな気持ち
 昼休み。
 智美と話していた美夏のそばに、クラスの女の子達が集まって来る。
「いいなー金子さん、カッコいいお兄さんがいて」
「ホント、うらやましい。ねえねえ、先生って、彼女いるの?」
「えっ?」
「いなかったら私、立候補する!」
「直子ずるい。私が先よ」
「だったら勝負する?」
「ごめん。彼女いるんだ」
「えーマジ?」
「うん」
「ショック、それじゃ私達脈なしって事?」
「直子、いいじゃん。卒業まで私達の担任として、顔見れるんだしさ」
「だけど、楽しみ無くなったよ」
「どうせ告白したからって、振られるに決まってるじゃん」
「智美、ひどーい」
「2人とも、ごめんね」
「別に金子さんが謝る事じゃないって。ねえ、これから金子さんの事、美夏って呼んでいい?」
「もちろん。それじゃ私は、智美って呼ぶね」
「うん」
「私、佐伯直子。智美とは1年からの親友なの」
「そうなんだ。あなたの事も、直子って呼んでいい?」
「いいよ。クラスの女子、ほとんど下の名前で呼び合ってるんだ」
「女子、何人いる?」
「20人」
「わっ。覚えられるかな~」
「大丈夫って」
「みんな、宜しくね」
 
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