Any number of times.
「じゃあ、名前呼んだら入ってきてね。」
そう告げるやいなや、〈2-D〉のプレートが掛けてある教室へ入っていった。
『....はぁ、』
小さく溜息をする私。
《溜息なんてらしくないじゃん》
《うっさい-》
何時かの会話が頭に過った。
『あ-もう、!!!!』
今も尚、忘れられずにいる"あいつ等"との記憶に苛々した。
「高坂-。」
ドアの向こうから突然呼ばれ、少し吃驚しながらも私は、教室に入った。
視界に映るのは、色とりどりの髪の毛。
ほんの少し、動揺する私。
「高坂、自己紹介。」
『.....高坂志生です。宜しくお願いします。』
平然を装いながら、自己紹介をした。
「志生ちゃんは-、彼氏いるの-??」
「ひょ-、大当たりじゃね?」
「めっちゃくそ可愛い!!!」
男子からは好意の目。
「何コイツ-、大して可愛くないし。」
「は-、また来たよ、ぶりっ子。」
女子からは既に敵意の目。
いやいや、まだ媚びった覚えないから
なんて、冷静に突っ込んでいた私。
「高坂の席は-、-っと、あそこ」
先生の指差す方向を見れば、6つの空いた席があった。
『え-っと、開いてる席がありすぎてわかんないんですけど。』
「ははっ、そうだな。高坂の席は右から3番目だ。」
え、なにその中途半端な席。
とか思いつつも、私はその6つだけ空いた席の3番目に座った。