幕末彼氏!?
「よし、二人とも着替え終わったわね!いい感じよ〜!」


ユキさんはキラキラとさせた目で

両手を合わせている。



隆は、シンプルな淡い紺の着物を

なんなく着こなしていた。



「ありがとうございました…本当に…」


こんな高そうなのを

お金も払わないでいただくなんて…


坂本さんにお礼が言いたいな。



「じゃ、そろそろ…」

隆がお店のドアに手をかけた。


その時

「あ、ちょっと待ちな!あんたたち、これからどこ行くの?」




あ…


確かに


これから行くところなんてない。


同じように

何も考えていなさそうな


隆の顔の目と目が合った。



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