私に恋をしてください!
「後で話すよ」

健吾さんが内緒にしていることを話してくれたけど、俺は葉月に隠し事はしたくないことを言ったら、葉月にだけは言っていいことになったから・・・

車はある建物の駐車場に止まった。
ここは・・・どこ?

『さ、ここで君達は下車。そして、これ』

と、剛さんが渡してきたのは、カード。
"ROOM KEY No.510"と書かれている。

「この建物、は?」
『ここはゴールドホテルグループが展開しているアジアンリゾートホテルのひとつなんだ。中にはカラオケやダーツバーもあってね。部屋はもうチェックイン済だから、そのまま入ってね』
『で、でも私、泊まりは・・・』
『兄からメールが届いていませんか?』

剛さんに言われて葉月が携帯を見ると、確かに新着メールのランプ。

健吾さんからだった。

―"このメールの本文をコピーして、そのままお母さんにメールをしろ"―
という内容だった。

つまりは、健吾さんはアリバイ作りの片棒を担ぐというわけだ。
しかし・・・

『いえ、お母さんにはソラと泊まると送ります』
『大丈夫なの?』

剛さんは心配顔。

『嘘をつかないと約束した代わりに、ソラとのことを応援してくれると言ってくれているので。ただ、局長のお言葉には甘えて、お母さんからお父さんに伝える時にはこのアリバイを使わせていただきます』
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