私に恋をしてください!
『本当に?ソラにはもっとキレイな女性・・・それこそ須山さんとか神戸さんのような女性がいっぱい寄ってくるだろうに』

コイツは、さっき最高の快楽を得たことをもう忘れてしまったのだろうか。

「ねぇ、本気でそんなこと言っているの?そんなこと言うなら今すぐここで2回戦するよ。俺の想いをぶつけたいから」
『え?いや、そんな・・・』
「葉月は知らないかも知れないけど、世の中の若いカップルは、こんなお泊まりな夜は寝ないで愛し合うものなんだよ」
『え?そうなの?』

でも"アレ"があと1つしかないので、今日はもう1回だけ。

今日が初めてだったのに、葉月は俺を受け入れてくれている。

『私、今日が初めてのはずなのに、気持ちいいと思ってしまうのは、やっぱりダメかな・・・』

まどろむ俺達の静寂な空気を、まず壊したのは葉月のこの言葉だ。

「ダメ?逆だよ。すごくいいことだよ。それだけ相性がいいってことだろ?」
『相性?』
「身体の相性。付き合う上では大事な要素だけど、俺達は心配なさそうだね」

そう俺が言った途端、葉月は俯いた。
顔が赤くなっているのだろう。
暗くて良く分からないけど。

「だから、よろしくね、俺の彼女」

そう言って、俺は葉月のおでこにキスを落とした。
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