私に恋をしてください!
「俺が奥手でビビリだったんだよ。彼女に告白どころか、教室で声を掛ける勇気もなくて。そんな俺の性格を知って、ゲームくらいの乗りの方がグイグイ引っ張れるぞって。友達の提案に乗ってしまった俺も若気の至りだ。神戸の気持ちより、自分を優先していた。その後激しく後悔することになるなんて考えもせずにね」
『そんな・・・』
「そして、それが初めてだったんだ、俺の」

交わりを終えた後、友達2人が部屋に入り込んで来た時の神戸の顔。
忘れていない。

神戸はその場で嗚咽して泣いた。
そこで俺達3人は自分達がしてしまった大きな罪を感じることになったんだ。

「休み時間毎に以前にも増して沈み続ける神戸に、とうとう友達1人が耐えきれなくなり、自分の父親に相談し、さらにその父親が写メを持って学校に通報したことで事態が発覚した。俺は決まっていた大学の推薦が取り消され、一般入試にも失敗して1年浪人したから、年齢が葉月とひとつ違うんだ」

ひとつ息をついた俺。

「好きな人から嫌われるのがそれからは猛烈に怖くなって、大学に入って東京出てきてから、どうでもいい女性とはその場限りの関係を持てたのに、好きになった女性には全く男が反応しなくなってしまった」
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