私に恋をしてください!
「私の顔に何かついてる?」
『何か、葉月を取られた気分。でもいつまでも男を知らないウブでピュアな女子のままではいられないよね。経験を積んで大人の女にでもなるか』
「私は、ソラだけでいいよ」
『あら、彼氏の名前はソラって言うのね。良かった、"エア彼氏"じゃなくて』
「エア彼氏?」

妄想の世界での彼氏ってことだよね。

『冗談冗談。アンタの変化を見れば一目瞭然だよ。何か、色気が出たし』
「そ、そうかなぁ」
『まぁ、せいぜい父親対策は万全にね』

私自身は何も変わったつもりはない。
だからたまちゃんには変化を指摘されても、ピンと来ない。

女性は皆、男性とエッチをしてもその後は普通に毎日の生活を送っている。

ソラとそうなる前までは、日常生活でもそのことで頭が一杯になるんじゃないかと思っていた。

でも、実際に経験をした後も、私は世の中の女性たちと同じように平然と親と話し、たまちゃんとも話し、ソラとだって話している。

頭の切り替えが上手く出来ている自分に驚いた。

これが自然なんだ。
自然体でソラと付き合える。

たまちゃんからは大したアドバイスは貰えなかったけど、今日普通に話しただけ自分に自信がついたような気がした。

私はソラにクリスマス近くの3連休はソラの部屋でごはん作ってゆっくり過ごしたいとメールで意思を伝えたら、"いいよ"と、相変わらずレスポンスのいい返事が帰ってきた。
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