私に恋をしてください!
お母さんは手際よく次々と料理を並べた。

「じゃぁ、どうしたらいいのよぉ」
『お父さんはあんたのことをまだまだ子供だと思っているのよ。葉月がちゃんと大人の女性として成長を遂げるまでは大人しくしてなさい。機を伺うのよ』
「そのまま年だけ重ねるのはごめんだよ」
『私だって行き遅れた娘の世話を死ぬまで続けるなんてごめんよ。あ、そうだ。今度の土曜日、ソラくんに会わせて貰えないかしら』
「ソラに?」

確かに、この間から"ソラに会わせて"と言われていたことだけど・・・もう実行するの?

『私が葉月のクリスマスお泊まり作戦の首謀者になるんだから、娘の彼氏の人となりを確認するのは、親として当然のことでしょ?』
「分かった。ソラに確認しておく」
『じゃ、すぐに部屋に行きなさい。お父さんと波風立てられちゃうと、クリスマスお泊まり作戦が決行できなくなっちゃうわよ』

そうお母さんに言われてリビングを追い出された私は自分の部屋に戻った。

すぐにソラに電話をした。

"今お風呂から出たところだよ"
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