私に恋をしてください!
「お母さん、ソラを見過ぎじゃない?困ってるじゃん、ソラ」
『いや、ごめん。彼女のお母さんに会うというのが初めての経験だからさ』
『あら意外。今までちゃんと彼女とお付き合いしたことがないの?』
『向こうの親と会うまで親密な付き合いはしたことがありません。今回が初めて・・・ですけど、2度目はないと思っています』

そんなソラを、向かいに座るお母さんは両肘を立てて手の上に顎を乗せて見た。

『へぇ。ありがとうね。うちの娘に本気になって貰えて』
『はい。僕は至って本気です』

白いシャツに黒いニットを羽織ったソラは、お母さんの言葉に素直に答える。

『最初は、娘さん・・・葉月さんに火傷を負わせてしまったのがきっかけではありますが、初めて会った時から僕は、きっと彼女と付き合うだろうな、って思いました』
「え?そうなの?最初は私が言ったのも同然なのに」
『え?葉月、ソラくんに何て言ったの?』

お母さんはきっと、私のことをウブだと思っているから、私からソラに言うこと自体が信じられないんだろうな。
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