私に恋をしてください!
『社長は龍成社でいい役職に就くには伴侶がいないと具合が悪いと感じてある株主の会社の令嬢を紹介した。でもあの人はその令嬢は好みじゃなかったみたい。だから断る理由として、その時その場にいた私をダシに使ったのよ』
「は?」
『たまたま違う理由で成瀬川邸に出入りしている私と"私は彼女と付き合っていますから"と腕を引いて社長に言い放ったのよ』
『付き合っていたんですか?その・・・葉月のお父さんと』

ソラも突然の展開に口を開かずにはいられなかったようだ。

『付き合う以前に、会話をしたこともなかったわよ。何度か顔を見たことがあるだけ。しかも龍成社の中じゃなくて、成瀬川邸の中での話だよ。それなのに、付き合っていますっていきなりよ。あの人は口が上手いから、そこからは私の実家に結婚するって報告して、当時は局長にまでなっていたからうちの両親も乗り気になって、引っ込みがつかなくなったの。だから私は秘書をたった2年で退職よ』
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