私に恋をしてください!
『まさか。自分の地位のためよ。娘の評価が下がっては、自分の評価も下がるから』
「そんな・・・」
『だって、葉月もおかしいと思わなかった?過干渉な割にはたまちゃんのことを全く覚えていなかったり、門限撤廃の条件だったあんたの龍成社への入社の顛末も忘れてしまったり。あんたが小さい頃からそうだったのよ。その場で事が収まると、都合の悪いことは忘れてしまい、次に問題が起こると自分の都合のいいように解釈してしまうから面倒なのよ、お父さんは』
思い当たることはある。
小さい頃から過干渉の割にはお父さんと一緒に旅行に行くことも、出掛けることも、寝ることも、お風呂に入ることもなかった。
娘として可愛がっていたわけではなく、自分の上昇志向の道具に使われただけってこと?
『お父さんは自分が決めた良家の男性と結婚させるようなことを言ってたけど、それも怪しいわよ。自分の目の黒いうちは、あんたを結婚させる気はないでしょうね』
お母さんは今まで言えなかった鬱憤を晴らすように吐き捨てた。
「どうして今まで言ってくれなかったの?」
『両親の仲が悪いと、娘のあんたが悲しむでしょ?だから今まで耐えてきただけ。今は23にもなったし、ソラくんの存在がいれば、きっと真実を知っても大丈夫だろうと思ったから』
「だったら、ソラのいないところで私に言って欲しかったな」
「そんな・・・」
『だって、葉月もおかしいと思わなかった?過干渉な割にはたまちゃんのことを全く覚えていなかったり、門限撤廃の条件だったあんたの龍成社への入社の顛末も忘れてしまったり。あんたが小さい頃からそうだったのよ。その場で事が収まると、都合の悪いことは忘れてしまい、次に問題が起こると自分の都合のいいように解釈してしまうから面倒なのよ、お父さんは』
思い当たることはある。
小さい頃から過干渉の割にはお父さんと一緒に旅行に行くことも、出掛けることも、寝ることも、お風呂に入ることもなかった。
娘として可愛がっていたわけではなく、自分の上昇志向の道具に使われただけってこと?
『お父さんは自分が決めた良家の男性と結婚させるようなことを言ってたけど、それも怪しいわよ。自分の目の黒いうちは、あんたを結婚させる気はないでしょうね』
お母さんは今まで言えなかった鬱憤を晴らすように吐き捨てた。
「どうして今まで言ってくれなかったの?」
『両親の仲が悪いと、娘のあんたが悲しむでしょ?だから今まで耐えてきただけ。今は23にもなったし、ソラくんの存在がいれば、きっと真実を知っても大丈夫だろうと思ったから』
「だったら、ソラのいないところで私に言って欲しかったな」