私に恋をしてください!
『マスターが手配する第三者が誰なのかは分からないけどさ、丸ごとみんな幸せになって欲しいな、俺みたいに』
「ソラは今、幸せ?」
『あぁ、幸せだよ。だって葉月のおかげで休日も充実しているし、ちょっと前までは出来なかったはずのこんなことだって・・・』

そう言うと、ソラは体の位置を少し下げて、私と目線を同じ高さにした。
そのまま、唇を合わせ、片手は私の胸を弄ぶ。

「ちょ、ちょっとぉ・・・」
『お前とは、ずっとしていたいと思うくらい中毒になっちゃったみたい。葉月のせいだから、責任取ってね』

互いの身体が密着し、太腿のあたりにソラの明らかな昂りを感じた私は"もう1回、いい?"と首を傾げて尋ねてきた声と表情と相まって本能のまま頷く。

窓が夕焼けのオレンジ色に変わり、日が沈んで部屋が暗くなっていることにも気付かないまま互いが満足するまで愛し合った。

家に帰ると、お父さんとお母さんが揃っていた。

土曜日の夜だし、当たり前の光景のはずなのに、昼間の出来事と、ついさっきまでソラに抱かれ続けた状況を引き擦り、私の心を揺さぶった。

『この季節になると、ゴルフもやりづらくなるな。年を取ると、寒さが堪える』

お母さんに言っているのか私に言っているは良く分からないお父さんの大きすぎる独り言。
でも、反応しないとちょっとお父さんが可哀想。
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