私に恋をしてください!
朝になって俺が目を覚ますと、隣に葉月がいない代わりに、いい香りがした。

味噌汁?

『あ、ソラ、目が覚めた?おはよう』
「お、おはよう」
『もうすぐ朝ごはんできるから、ちょっと待っててね』
「今何時?」
『もうすぐ9時だよ』

昨夜、最後に俺達が愛し合った後、ふと時計を見た時に午前4時過ぎだったのを覚えている。
それなのに朝ごはんを作ってくれちゃうの?

「葉月、あまり寝てないんじゃないの?」

慌てて衣服を着て葉月の元へ行く俺。

『うん。でもせっかくソラといる朝だし、一緒に朝のひとときを過ごしたいなって。寝ていたらもったいないって思ったの』

もったいないか。

焼いた卵焼きを切っている葉月を、昨日同様に後ろから抱き締めた。

『ちょ、ちょっと包丁使っているんだから危ないでしょ?』
「君は本当に女子力の高い女子だよね」
『女子力?ソラに私が作ったご飯を食べてもらいたいと思ったからやったことなの。それでソラに喜んでもらえるなら一石二鳥』
「でも無理しないでよ。眠い朝だってきっとこれからあるなら、俺が起きればいいことなんだし」

すると葉月は"フフ"と笑った。
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