私に恋をしてください!
「アイツのその性格は高校生の頃から一緒。人に気を遣えていてすごいなって思ったりするけど、え?そこは何もしないんだ、みたいなところはあって。そういうところを見てしまうと、人から良い評価を勝ち取りたくてマニュアル的な行動をしているのかな、って思ったりしてさ。しかもアイツは目立つように正論を畳みかけて相手に反論の機会を一切与えないところもあって、周りにしてみれば"キャプテンシーがある"と言うんだろうけど、俺から見れば気が強い出しゃばりにも思えて、苦手だった」
『ソラもそう思っていたんだ』
「だから、神戸とは話しても、高松はなるべく会話も避けたいっていうのが正直な気持ち。以前に飲みに誘われたけど、仕事を理由に断ったし」

俺がそう言うと、葉月は"フフ"と笑った。

『人間観察の結果まで一緒なの?私達は』
「そうみたいだね」
『明後日、変なこと言われないといいけどな』
「大丈夫でしょ。きっとプロポーズされて浮かれているよ、高松は」

俺は目の前の葉月の頭を撫でた。

「あの2人より、もっともっと、お互いを溺愛しようよ、葉月」
『うん』
「手始めに・・・」

俺は葉月に覆いかぶさり、上からキスを落とす。
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