私に恋をしてください!
「はい、そうです」
『なかなかやるじゃん。結構高いんだよ、あそこ』
「でしょうね。あの・・・」
『何?』
「私達のこと、遥香さんには話しましたか?」

話したら、いろいろ突っ込まれそうだけど、朝は何事もなく、今現在遥香さんは外出中。

『いや、話してないよ。あんまり詮索されたくないんだろ?』
「よくお分かりですね」
『俺に見つかると思って慌てて席を交換していたのを見たからね。だからってわけじゃないけど俺達のことももうしばらくだけ内緒にしておいてくれるかな?年明けにはみんなに言うからさ』
「分かりました」

話は終わったはずなのに、桐生さんは席を立とうとしない。
私をじっと見ている。

『俺の疑問は解けたよ』
「疑問って、何ですか?」

私の言葉に、桐生さんは小さく笑った。

『お前の顔つきと仕事っぷりだよ。この数ヶ月で劇的な変化を遂げたのは、彼氏の力なんだと思ったら、妙に納得した。やっぱり愛の力は素晴らしい』
「その言葉、そのまま桐生さんにお返ししますぅ」

"アハハハ"と言いながら、自分の席へ戻って行った桐生さん。
私、そんなに変わったかなぁ。
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