私に恋をしてください!
それはやっぱり、私のこの容姿のせいだよね?
子供だから、心配してくれただけだよね。

「大丈夫だよ。子供じゃないんだから」
『だから、お持ち帰りされそうになっているのに、どの口が大丈夫と言うんだ?それに、容姿は子供っぽくても、葉月の中身は立派な大人だ』
「そんなこと、初めて言われた」

子供っぽくて、知る人は知る専務の娘という立場。
腫れ物に触るような会話しかしてこない。

今の茂木部長になってからは大分ましになったけど、それでも私がミスしたところで怒られることもない。

だから、私が変わらなくては…そう思ってやってきたこの数ヶ月。

ソラは私を"社会人"として見てもらえてるのかな。

『さ、遅くなるとご両親が心配するからそろそろ帰ろう。明日もあるし』
「うん」

私の家に向けて車を発車させたソラ。

『まだ会ってから2週間くらいなのに、葉月とは、ずーっと前から知り合いだったような気がするんだ』
「私も、そう思うよ」
『それが何故なのかは説明できないんだけどさ』

そう言ってソラは軽く笑った。

花村さんの言っていた"価値観の一致"って、もしかしたら人と関わる上でとても大事なことなんじゃないかと、ソラとの会話でうっすら感じていた私だった。
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