私に恋をしてください!
翌日、今度はぬいぐるみ用の綿を買ってきてから俺のアパートに来た葉月。

『ソラに抱かれ過ぎて痩せちゃっているだろうから、綿を補充しないとね』

と、ゴミ袋に入れていたそれまでの綿に、新しい綿を足してぬいぐるみに詰めて、背中を縫い合わせた葉月。

出来上がった洗濯済の白くまのぬいぐるみは、綺麗になっていた。

『あ~かわいい』

と、俺より先にぬいぐるみを抱きしめた葉月。

昨日の美術館をいい、このぬいぐるみといい、俺と葉月は"綺麗なもの""可愛いもの"の感覚が同じなのだろう。

『毎日可愛がってあげてね。そして時々、白くまくんは洗濯しなくちゃ』
「そうだね」

ぬいぐるみを抱く葉月は、やっぱり中学生。
でもそんな彼女に、俺は悪い気分は全くしなかった。

むしろ・・・居心地が良く思えてきたんだ。

甘ったるい声がイライラする人もいるかも知れないけど、俺はそんなの関係ない。
話す内容にストレスを全くないから毎日でも一緒にいたい。
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