私に恋をしてください!
『驚きました。貴方がここを訪れるなんて。でも仕事中では?』
「はい。でもどうしてもこのタイミングで成瀬川さんにお会いしたくて」
『なぜ?』
「この後・・・わかば堂書店の本部に行くんです。もちろん仕事で」
俺の言葉を聞いた剛さんは"それならここのレストランでランチをしましょう"と、3階にある洋食レストランに連れて行ってくれた。
"ここのお勧めはオムライスですよ"と言われたので、そのまま注文をして、程なく運ばれてきたそれを2人で食べる。
『美味しいですよね?』
「はい・・・でも、成瀬川さんは・・・」
『シー。その名前はあまりここでは使って欲しくないですね』
そうか。
"成瀬川"という名前は有名だから、こんな沢山の人達がいるレストランの中で使うとちょっと面倒なことになりそう。
『"剛"で構いませんよ』
「はい。ありがとうございます。剛さん」
半分食べたところで、剛さんは水を飲んだ。
「あの・・・僕の自己満足にお付き合い頂いてありがとうございます」
『自己満足、ですか?』
そうだ、自己満足だ。
忙しい仕事中の剛さんを引っ張り出して、人となりをさらに知って自分に言い聞かせて、神戸のことを諦めようとしているのだから、どこをどう考えても自己中そのものだ。
「はい。でもどうしてもこのタイミングで成瀬川さんにお会いしたくて」
『なぜ?』
「この後・・・わかば堂書店の本部に行くんです。もちろん仕事で」
俺の言葉を聞いた剛さんは"それならここのレストランでランチをしましょう"と、3階にある洋食レストランに連れて行ってくれた。
"ここのお勧めはオムライスですよ"と言われたので、そのまま注文をして、程なく運ばれてきたそれを2人で食べる。
『美味しいですよね?』
「はい・・・でも、成瀬川さんは・・・」
『シー。その名前はあまりここでは使って欲しくないですね』
そうか。
"成瀬川"という名前は有名だから、こんな沢山の人達がいるレストランの中で使うとちょっと面倒なことになりそう。
『"剛"で構いませんよ』
「はい。ありがとうございます。剛さん」
半分食べたところで、剛さんは水を飲んだ。
「あの・・・僕の自己満足にお付き合い頂いてありがとうございます」
『自己満足、ですか?』
そうだ、自己満足だ。
忙しい仕事中の剛さんを引っ張り出して、人となりをさらに知って自分に言い聞かせて、神戸のことを諦めようとしているのだから、どこをどう考えても自己中そのものだ。