私に恋をしてください!
すると"おいで"と、ソラが手を広げてくれた。
私の考えなんて、ソラにはとっくにお見通しで…私の体は導かれるようにソラの懐に収まり、そのままギュっと抱き締められた。

『あったかぃ』

と言って、私の後頭部を撫でたけど、すぐに体を少し離した。

顔が…近い。
そのままソラは私のおでこに自分のそれを当てた。

『キス、したい』
「うん」

私の返事から間髪入れずに互いの唇が触れた。

『少し口を開けてごらん』

ソラにそう言われてほんの少し口を開けた…その瞬間、同じように少し口を開いたソラの唇が再び触れたと同時に、柔らかいものが私の口腔に入ってきた。

…舌?
だから口を開けろと言ってきたんだ。
これがディープキスってやつ?
私には経験がないし、どうしたらいいのか分からない。

すると、

『葉月、舌出して』

柔和な表情でソラに言われて、条件反射のように舌を出した私。

その私の舌を丸ごとソラは自分の口に含み、そこから自分のそれも使って丹念に、かつ深い感覚に陥る。

何て官能的なんだろう。
車中に響くリップ音。
私は他の誰とも経験がないから比較はできないけど、私の身体にかつてない痺れが起こる。

私は明らかに、ソラをもっと欲している。
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