私に恋をしてください!
どのくらいの時間、キスをしていただろうか。

名残惜しくも唇が離れると、ソラは私の両方の頬を自分の両手で包んだ。

『こんな俺だけど、受け入れて貰える?』
「こんな俺って、どんな俺?」
『こういう俺』

そう言うとさっきよりも短めのキスをしたソラ。

「喜んで」

と言いながら、私は照れ隠しにソラと同じように両手でソラの両頬を包んだ。

『葉月にこれからたくさん"好き"と言い続けたいから、俺と付き合って?』

人生…何度目かの告白。
恋愛に興味がなく、面倒だと思っていた節もあった私にとって、受け入れようと思えた初めてのもの。

「ありがとう。私もソラに負けないから」
『何が?』
「"好き"とソラに言い続けること」

私の言葉を聞いたソラは微笑んで、そして私を抱き締めた。

『癖になりそう』
「え?」
『葉月の唇』

体を離し、私の両肩に手を置いたソラ。

『"好き"と同じ数…いや、それ以上にたくさんキスしてもいい?』
「もちろん。私も、ソラといっぱいキスしたい」
『じゃ、もう少しだけ…』

と、再びキスに夢中な私達だった。

『葉月とこうしてから40分経ってる』
「お母さんに怒られちゃうかな」
『俺、一緒に行こうか?』

いきなり夜遅い時間にソラが来たら、お母さんびっくりしちゃうかも。
< 84 / 216 >

この作品をシェア

pagetop