私に恋をしてください!
『俺は、葉月の今の格好の方が驚きだけどね』

そう言われて今の自分の姿を見た。

ソラに跨がる私は膝上のスカート。

それは図らずもたくしあげられ、太ももが丸見え。

『パンツ見えそう』

そう言ってソラは笑った。

こんな会話が出来るのに、本当にソラの友達が言うような"好きな女性を抱けない"人なのだろうか。

でも、局長の言う通り"情欲は自分ではコントロールできない"と言う言葉を今のキスでしっかり私は体現してしまったことを認めざるを得なかった。

家に帰ると、ダイニングに座るお母さんが明らかに私の帰りを待っていた。

『ずいぶん長い間コンビニにいたのね』
「うん。立ち読みした後友達から電話が掛かってきて話していたから」
『ふぅん』

するとお母さんはテーブルに両肘をついて私を見た。

『この私が何にも知らないとでも思っているの?』

明らかにお母さんは何かを言いたげだ。
そう思った私は、お母さんの向かい側に座った。

「遅くなってごめんなさい」

私は素直に謝った。
でもお母さんは首を横に振った。

『遅くなったことを咎めているわけじゃないの。ただ、今葉月はウソをついたでしょ?』
「え?」
『コンビニなんて行ってないわよね』
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