あの日に出会ったキミと。
海へ続く小道へ駆けると、木のトンネルが連なっていて、葉から射し込む太陽のあたたかな光を浴びて、私は海へ着いた。


そこでは子供達が遊んでいた。


楽しそうに、無邪気な笑顔で。


少しだけ心が痛んだ。けれど、今は自由だ。


青くて広い海。そして眩しい水平線を見つめた。


浜辺へ座ると、持っていた本を開き、ページをめくった。


爽やかな風に吹かれて、潮の匂いがして…。


お屋敷なんかよりずっとずっと自由で、居心地が良くて、私自身自由だった。
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