あの日に出会ったキミと。

少年

「海を見に来たんだよ」


そう、透き通るような低い声で彼は言った。


彼の目を見た瞬間、胸がトクントクンと高鳴った。


とても綺麗な瞳。澄んだ瞳だった。


「…キミは何してるの?」


青年は私に優しく尋ねた。


「え…さ、散歩です」


「へぇ。同い年くらいじゃない?」


彼は私の隣へ座ると、私の顔を覗き込んだ。


彼の顔は整っていて、少しだけ茶色の髪が、透き通って見えた。


「えっと…私17歳です」


「おんなじだ。俺も17」


私の口から思わず笑みが溢れた。


「名前は?俺、宮代しゅう」


「私は、姫川…姫川蛍」
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