あの日に出会ったキミと。
そして屋敷につくと、彼は私を降ろした。


屋敷の扉を開けると、メイドたちが息を切らして私にすがりついた。


「蛍様!よかった…」


何故か泣きながら、彼女たちは安堵の表情を見せていた。


彼女たちに謝ると、私は自室ではなく、植物園へ向かった。


…絵を描こう。


今日一日の絵を描こう。
しゅうと、私の絵…!


そう思うと、何故か胸が高鳴って、すごくワクワクしてしまう。


でも、一ノ瀬に見つかったら破られてしまうかな…


そんなことを頭で考えながら、それでも私は描きたかった。


しゅうと、私と、海。


小さなしあわせが胸を鳴らす。


今日1日、夢のようだった。


けれど、夢はいつか覚め、夢はいつか忘れてしまう。そんな儚いものだけれど。


私はしっかりと記しておこう!
彼との1日を、しっかりとー。

< 25 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop