あの日に出会ったキミと。
身体を起こすと、重い瞼を擦り、自分の部屋を出る。


「蛍様、おはようございます」


メイドが綺麗にお辞儀をするけれど、私はお辞儀なんてされるほどのご身分では無い。


家族から見放され、友達も、好きな人も、恋人もいない、価値のない人間なのに。


もう嫌だ。
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