あの日に出会ったキミと。
朝なのに、スッキリとした気分にはなれず、心は曇っていて憂鬱な気分だった。


「…はぁ」


許可なしに外へも出れないで、散歩も執事同伴でしか無理だなんて耐えられない。


私は人とも関わりたいし、外へも出たいし、自由でいたいのに。


いろいろなものが私を邪魔してくる。


恋もしたいし、好きな人だって欲しいのに。私には、できない。


…普通の生活を送りたい。


大切な友達がいて、大好きな人がいて、毎日学校に通って、家に帰ったら、お母さんとお父さんが”おかえりなさい”って朗らかな優しい笑顔で迎えてくれるの。


何度も何度もそんな夢を見てきた。


そして目が覚めると、決まって私の瞳には涙が光っていた。

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