あの日に出会ったキミと。
夏の匂い
久しぶりに外へ出た喜びだった。
嬉しくて、しあわせで、自分が自由っていうことが最高に幸せで。
あたりはすっかりと夏だった。
蝉は部屋でいる時よりも元気に大きな声で鳴いていたし、空は青々としていて、入道雲が浮かんでいる。葉っぱは緑色に輝いていて、外は夢の国のようだった。
でもある不安が頭をよぎった。
一ノ瀬がいつ気がつくだろうか。
一ノ瀬は勘がいいし、頭の回転もはやい。私の居場所なんて簡単に突き止めてしまう…彼がお父様から一目置かれているのがわかる気がする。
どうか、どうか見つかりませんように。
そう願うと、思わず走り出した。
嬉しくて、しあわせで、自分が自由っていうことが最高に幸せで。
あたりはすっかりと夏だった。
蝉は部屋でいる時よりも元気に大きな声で鳴いていたし、空は青々としていて、入道雲が浮かんでいる。葉っぱは緑色に輝いていて、外は夢の国のようだった。
でもある不安が頭をよぎった。
一ノ瀬がいつ気がつくだろうか。
一ノ瀬は勘がいいし、頭の回転もはやい。私の居場所なんて簡単に突き止めてしまう…彼がお父様から一目置かれているのがわかる気がする。
どうか、どうか見つかりませんように。
そう願うと、思わず走り出した。