あの日に出会ったキミと。
見上げると、それは一ノ瀬だった。


一ノ瀬は無言で大広間を出て、そのまま何処かへ歩いていく。


「一ノ瀬…」


紅茶で濡れたスカートはぴったり私の太腿に張り付いていて、まるで一ノ瀬が私の足を触っているかのように思えて、恥ずかしくなってしまった。


ぬるい紅茶だったのか、やけどはしてないけれど、思いっきり足にかかったのだった。


バスルームへ入ると、一ノ瀬は私を座らせた。
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