それでも、やっぱり君が好き。

頑張ってる君に、ご褒美




 その日を境に昼を共にしなくなる、なんてことは何とか起こらず、今まで通りに屋上や空き教室で昼食を食べることができた。

  
 それは何も変わらなかったけど、オレ達三人の心の距離は前よりか少しは短くなったのだと思う。っていうか、そう信じてる。




 茜はいつも通りにオレに毒を吐きまくり、涼峰さんには甘々な態度を示す。


 涼峰さんはあの日宣言したことに嘘はなかったのだろう、少しずつだけどオレと関わろうとしてくれていた。


 やっぱり、前の関係よりも今の関係の方が居心地が良い。楽しい。




 そう思った、ある日のこと。



 今日は運良く屋上が空いていたので、屋上に場所を決め弁当を広げる。


 いつもと同じの、右から涼峰さん、茜、オレ、という順番にも今では何も感じなくなった。


 ……いや、嘘。隣になりたいとか感じる。



 だけど、女子二人がオレのスマホを弄(イジ)りながら箸を動かす光景を、少し前にずれて見つめているのも微笑ましくて好きだ。

 この場に居られるだけでも凄いことなのだから、あまり欲を出さないよう気を付けていた。



 きゃっきゃ騒ぐ二人を見つめていると、ふと勇輝のことを思い出す。



 ――――最近涼峰さんたちと昼食べてるから、勇輝とここ暫(シバラ)く食べてねーな……。

 
 とは言っても、今の二人の間には微妙な空気が漂い、一緒に弁当を食べることは端(ハナ)からできなそうだ。


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