それでも、やっぱり君が好き。
勇輝の態度に心当たりがあるのが、オレの胸を締め付ける。
でもアイツ、オレいなくても平気そうな面してやがる……。
クラスの女子にも「どうしたの?」と尋ねられた。
オレはこんなにも、心にぽっかりと大きな穴が空いたような気持ちを抱いているというのに。
オレがいけないのか? オレの対応は、悪かったのか?
むしろ、どうしたら花マルを貰えるのか教えてもらいたいくらいだ。
関わりを深くさせたのは、お前、勇輝じゃねーか。
もう、どうしたらこんなことにならなかったんだよ……?
「……朝倉?」
突然大きく耳に響いた声に、驚いて目を見開く。
そして瞬時に声の主、茜の方を向いた。
涼峰さんのすぐ横にいる茜は、オレを見て少し首を傾けている。
「……どうした?」
「い、いや……なんかぼーっとしてたからどうしたんだろ、って」
なんだか戸惑った様なものを伺えた。
珍しいな、と思いつつ、ごめんと謝って箸で掴んだ玉子焼きを口に放り込む。
……勇輝のことは、今の時間くらい忘れよう。この限られた時間は何にも代えられないくらい大切なのだから。