それでも、やっぱり君が好き。
 

 オレは上履きを履いたまま座っている椅子の上に右足を置いて、膝の上に顎を乗せた。



「でー? どうしたの、圭太君?」



 ちょっとおちゃらけた口調になった勇輝を見ずに、目を伏せながら呟いた。



「……オレ、一目惚れしちゃったかも」



 オレのその言葉に、勇輝は一瞬驚いてすぐに柔らかく微笑んだ。



「……そっか。あの、圭太がね〜」



 一目惚れのことに対してではなく、自分から恋をしたことに勇輝は驚いたことなんて、言われなくてもすぐに分かった。



 当たり前だ。


 中学の頃のオレなんて、……最低な、恋なんて、ってやつだったから。


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