それでも、やっぱり君が好き。
 

 オレは頭から過去のことを振り払い、少し声を落として相談の続きを再開する。



「涼峰凛って知ってるか?」



「へ、圭太君は凛ちゃんに一目惚れしたのっ?」



「そーなん……えええ!?」

                 
 この場に出てくるはずのない女子の声に、オレは驚愕(キョウガク)しながら声のした斜め後ろを見る。



 そこには、最近仲良くなったクラスメイトの女子がにぱこと笑いながらオレを見つめていた。


 両手を少し茶色い頬に当て、肘をついて俺を見つめている彼女は、前髪を結んで後ろを流している髪型が特徴的だ。


 胸は、……ダメだ。


 さっきのポニーテールの彼女を見た後だといつもよりも小さく見えてしまう。



「ミナっ、お前……っ! 話聞いてたのか!?」



 仲良くなったばかりの人と恋話をする気には全くならない。


 恋話をする相手はオレの大親友の勇輝だけで十分だ。


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